索引
サーキュラーファッションの発展に貢献するhap株式会社様の製品・サービスにaiESG分析サービスを活用。ESG全領域の分析から、アパレル産業の複雑なサプライチェーンの透明性を向上
クライアント紹介
会社名:hap株式会社 https://hap-h.jp/
業種:アパレル
住所:東京都中央区
ご担当者
代表 鈴木 素 様
2006年創業。ブランド事業から環境配慮快適多機能製品のアパレル、スマートテキスタイル・スマートウェアの開発まで幅の広い事業を展開。カバロスレイヤーテクノロジーにより第11回技術・経営イノベーション大賞で「カバロスのサーキュラーファッション」が「内閣総理大臣賞」を受賞。サーキュラーファッションの発展につながる技術・サービスの開発を目指す中で、hap社はaiESGの分析サービスを活用。aiESGの包括的な分析を通じてサプライチェーンの透明化を高め、真のサーキュラーファッションの実現に向けた取り組みをさらに進めている。
[案例研究] aiESG 对服装公司 hap 的供应链 ESG 评估。
~ 可持续时装的人权、环境和经济评估可视化 ~。
図1 aiESGとhap社の協働スキーム
サーキュラーファッションに取り組む背景、aiESGを選んだ決め手
〜aiESGを選んだのは、サプライチェーン全体を網羅した包括的なESG分析が可能だったため〜
—— 鈴木様がhap社を創業した背景について教えてください。
鈴木様:繊維商社で働いていた頃に生産工場の現場の視察に行くことが多くありました。そこでは、当たり前のように小さな子どもが働いているなど、過酷な労働環境を目撃しました。ここに問題意識を持ちつつ、考え方が根本的に変わったきっかけは、2013年にバングラデシュで起きたラナ・プラザ崩落事故でした。この事故は、縫製工場が入居するビルが崩壊し、1,100人以上が亡くなった労働災害で、ファッション史上最悪の事故とも呼ばれています。
このような実態を目の当たりにしたのち、サーキュラーファッションという付加価値をつけ、「大事な人や家族に着てもらえるもの」をテーマに開発を進め、hap社を創業するに至りました。
写真 hap社代表 鈴木素 様
—— 御社がSDGsを意識した製品開発や、COVEROSS(カバロス)のサーキュラーファッションに取り組まれた背景を教えてください。
鈴木様:私たちは、気候変動や環境問題に対応するため、早くからSDGsを基に製品開発を進めてきました。例として、人・地球に配慮して開発されたマテリアル「COVEROSS」の開発があげられます(https://hap-h.jp/business/coveross/)。COVEROSSは、多機能素材の技術を活かし、リサイクル性や耐久性を高めたサーキュラーファッションに注力しています。2019年には、フランスやドイツで開催されたファッションや寝具関連の展示会にCOVEROSS素材を出展し、欧州ブランドから国際認証や具体的なサステナビリティやESG評価について多くの質問を受けました。この経験から、持続可能な製品開発の必要性を強く感じ、ESGに沿った製品作りを進めていくことが重要だと考えました。
図2 手持ちの服に消臭、撥水、遮熱などの機能を付与する
COVEROSS LAUNDRY(カバロスランドリー)サービス
—— aiESGのご利用前は、ESG・サステナブルの観点から、何にご苦労されていましたか?課題は何でしたか?
鈴木様:ESGの観点から、サプライチェーン全体の環境・人権・経済活動などの包括的な数値化が難しいという課題がありました。アパレルのサプライチェーンは複雑でグローバルなため、具体的な数値化ができるサービスがなかったことが課題でした。そのため、ステークホルダーに対してESG基準をどのように実施しているか、透明性を持って説明するのが難しかったです。
—— aiESGを選んだ理由、決め手は何ですか?
鈴木様:aiESGを選んだのは、GHGのみならず、水負荷、人権、強制労働、衛生面などサプライチェーン全体を網羅した包括的なESG分析が可能だったからです。特に、複雑なグローバルサプライチェーンにおける環境や社会的なインパクトを数値化し、具体的な改善策を示してくれる点が他のサービスと比べて優れていました。hap社の商品の一つであるスキニーフィットデニムで使用する綿の調達先をどの国にするかをESG全ての観点から比較できるなど、私たちが求めていた、持続可能性を具体的に示すことができるツールとして、最適な選択だと感じました。
図3 hap社のデニムに対するaiESG 評価(抜粋)
—— aiESG以外の分析サービスについても検討されましたか?
鈴木様:他にもいくつかの分析サービスを検討しましたが、aiESGほどアパレル業界特有のニーズに対応できる包括的な分析はありませんでした。特にサプライチェーン全体に焦点を当てたESG分析が可能な点が、他サービスには見られなかったため、最終的にaiESGを選びました。
aiESG分析・評価サービスの効果:包括的な分析でサプライチェーン全体の透明性が高まる
—— aiESG分析サービスは、御社の課題解決に向けて、どのように役に立ちましたか?
鈴木様:aiESGの分析サービスを通じて、製品ごとの環境負荷を数値化し、どのプロセスが特に改善の必要があるかが明確になりました。これにより、サプライチェーン全体の透明性が高まり、環境面や社会的なインパクトをさらに軽減するための具体的な対策を講じることができました。
図4 USA綿製品(青色)と中国綿製品(オレンジ)の総水使用量-淡水 工程別分析結果
—— 分析結果を見て、いかがでしたか?
鈴木様:スキニーフィットデニムパンツについては、ここ5年間で原料選定や加工工程は既に環境・人権負荷削減を実施してきました。その中で染色工程など改善が必要だとわかりました。一方、快適機能を付与するカバロスランドリーサービスに関しては、持続可能な素材や染色・機能付与工程を採用していたため、全体的に高い評価を得ました。しかし、それでもさらなる持続可能性の向上に向けた改善点が見つかり、次の開発に活かすことができる結果となりました。
図5(左)スキニーフィットジーンズにおけるESG分析結果/図6(右)カバロスランドリーサービスにおけるESG分析結果
—— お客様やアパレル業界から反響はありましたか?(あった場合、どのような反応でしたか?)
鈴木様:大手アパレル企業のTSIホールディングス社(Meaningful Continuity)やストライプインターナショナル社とのコラボレーション案件が増え、ESGに対する取り組みが評価されています。また、COVEROSS素材や製品に対しては、海外からの問い合わせも増え、グローバルな関心が高まっていることを実感しています。お客様からは、持続可能な素材を使用した製品への信頼感が強まったという声を多くいただいています。
未来に向けて:サステナビリティとウェルビーイングに重きをおいたESG商品・サービスの開発
図7 hap本社の展示商品
—— aiESGを、今後の経営戦略や新商品の開発に活用する予定はありますか?
鈴木様:aiESGの分析結果を基に、一次製品だけでなく、二次流通やリサイクルなどを含むサーキュラーファッション全体の商品・サービス開発にも力を入れていく予定です。これにより、サステナビリティを軸にした経営戦略を強化し、ファッション業界全体での持続可能性を推進することが可能になると期待しています。
—— 今後、サステナブルファッションを推進するために、取り組んでいきたい事があれば教えてください
鈴木様:カバロスの持続可能素材や高機能製品を着用していただくことで、ファッション業界だけでなく、他のさまざまな産業にもサステナブルかつウェルビーイング(着るだけで健康促進になる洋服など)を重視したESG商品やサービスの開発を進めていきたいと考えています。特に、リサイクルや二次利用を前提とした製品設計を行い、循環型社会の実現に貢献していきたいと思っています。
—— aiESGをお薦めいただくとしたら、どのような業界や企業に適していると思いますか?
鈴木様:aiESGは、単なる分析ツールではなく、サプライチェーン全体にわたる包括的なESG評価が可能であり、業界特有のニーズにも柔軟に対応してくれます。そのため、ESGを強化したい企業にとっては最適なパートナーだと考えています。
—— 更にaiESGに求めること、期待することはありますか?
鈴木様:今後、よりリアルタイムにデータを反映し、より詳細な分析が可能になることを期待しています。また、国際基準・認証にも対応した評価が充実することで、我々のグローバル展開におけるESG対応をさらに強化できると考えています。
aiESGより
今回は、hap社の鈴木様にサーキュラーファッションに取り組む背景やaiESGを選んだ理由、分析の具体的な活用方法、そして今後の更なる発展についてお話を伺いました。いただいた貴重なご意見を元に今後もサービス改善に努めてまいります。
aiESGでは、製品・サービスレベルでサプライチェーンをさかのぼったESG分析を支援しています。また、ESG関連のフレームワークの基本から、非財務情報の開示まで幅広くサポートを提供しています。ESG関連業務でお困りの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
询问:https://aiesg.co.jp/contact/
*相关文章*.
・内閣総理大臣賞受賞のhapと、製品ESG評価のaiESG、真に人権・環境に配慮したアパレル製品開発で協業
・日経ビジネスのアパレルベンチャーhap社紹介記事でaiESGの取り組みが掲載されました。