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ブリヂストン、新規事業の意思決定に「ESG分析・評価コンサルティング」を導入

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新規事業の立ち上げにおいて、財務指標だけで意思決定を行う時代は終わりを迎えつつあります。企業が長期的な成長を実現するためには、ESG(Environment環境、Social社会、Governanceガバナンス)といった「非財務の価値」を定量的に把握し、事業戦略に組み込むことが不可欠です。特に、社会への波及効果やサプライチェーン(原材料の調達から製品の販売までの企業活動のこと)全体への影響といった観点は、従来の収益性評価だけでは見えてきません。世界最大級のタイヤメーカーである株式会社ブリヂストンは、新たな指標として、新規事業の企画、開発にaiESGの「ESG分析」を採用。

本記事では、株式会社ブリヂストン 探索事業開発推進第一部、大坂様に導入の背景と分析がもたらした成果、そして今後の展望について伺いました。

Clients

会社名:株式会社ブリヂストン
事業内容: タイヤ事業
HP: https://www.bridgestone.co.jp/

(探索事業開発推進第一部、大坂岳史様)

ESG分析導入の決め手は「幅広さ」と「客観性」

──現在のご所属部署の役割について教えてください。

私が所属している探索事業開発推進第一部は、ブリヂストンの既存事業であるタイヤ事業や、これに近接するモビリティ分野とは異なる、新たな領域での事業探索と企画・開発を担っています。これまでの事業で培ってきた技術やノウハウを活かしつつ、未来の社会や産業構造の変化を見据えた新規事業の創出が主な役割です。

新規事業の企画段階では、財務的な収益性だけでは事業の価値を測れないという大きな課題があります。なぜなら、企画や開発の初期段階では具体的な収益モデルの全容がまだ見えておらず、「この事業が社会にどのような価値をもたらすのか」を定量的に表すことがとても難しいからです。

──aiESGの分析サービスを導入された背景についてお聞かせください。

私たちがaiESGのサービスに注目したのは、「GHG(温室効果ガス)」といった環境面の指標だけでなく、社会・経済・ガバナンスなどの幅広い非財務領域を網羅的に分析できる点に強く魅力を感じたからです。さらに、製品単体ではなくサプライチェーン全体を俯瞰し、事業が及ぼす影響を多角的に捉えられることも大きな決め手になりました。

他社のサービスも検討しましたが、ここまで包括的な分析を行えるものは見当たらず、比較検討の段階から「これは他にない価値だ」と確信していました。新しい事業を検討する上では、財務的な評価と同じくらい、非財務面での「社会的価値の見える化」が重要になると考えています。

タイヤリサイクル関連で「バイアスなき評価」に挑む

──具体的に、どのようなプロジェクトで分析を行われたのでしょうか。

現在、私たちが探索事業として推進している「タイヤリサイクル」について、使用済タイヤを原材料に戻すなどの再資源化することで、資源循環を実現することを目指しています。この取り組みが、サプライチェーン全体にどのような影響をもたらすのかを分析するため、aiESGに依頼しました。


──分析の準備やプロセスで、特に工夫された点はありますか。

まだ事業が構想段階であったため、aiESGに提供する、すべてのデータが揃っていたわけではありません。様々なデータと、国際機関が公表している統計値や一般的な計算式を突き合わせ、「分析用の想定値」を慎重に設定しながら進めました。

また、単一の条件で分析するのではなく、複数のシナリオを設定して評価する手法を選択しました。これは「私たち自身のバイアスを取り除く」ためです。主観的な想定だけに頼ると、見えてくる結果にも偏りが出てしまいます。第三者の視点で多様な可能性を検証することが、分析の本質的な価値だと考えています。

想定を超えるリスクと機会が浮かび上がる

──分析結果について、社内の反応はいかがでしたか。

具体的な数値は公表できませんが、「そこにそんなに大きなリスクや機会があるとは思わなかった」という声が多く聞かれました。非財務的な視点から見なければ気づけなかったインパクトが数値として明らかになったことで、部署内の関心も一気に高まりました。

さらに、ESGの観点を企画段階から取り入れる重要性について説明すると、多くの関係者が強く共感してくれました。これまでは財務的なシミュレーションが議論の中心でしたが、非財務の評価が加わることで、議論の深さや広がりが格段に増したと感じています。

ESG分析は「立ち上げ期の武器」になる

──今後、ESG分析の活用をどのように広げていきたいとお考えですか。

私たちは今後も、企画・開発の初期段階から財務と非財務の両側面を検討しながら事業を評価していきたいと考えています。重要なのは、「財務価値と非財務価値は対立するものではない」という理解を広げていくことです。短期的な利益だけでなく、中長期的な価値創出という観点で見れば、両者はむしろ補完し合う関係にあると考えています。この考え方が部署内に根づけば、事業の質そのものが向上し、意思決定のスピードも上がるはずです。

──最後に、aiESGへの期待と、読者へのメッセージをお願いします。

すでにご相談している案件もありますが、科学的で客観的なデータ分析を通じて多面的な評価や新しい視点を提供していただけることを期待しています。

aiESGのサービスは、OECD(経済協力開発機構)やEurostat(欧州委員会統計局)といった国際的な公的機関が公開している統計データをもとに、各国・各産業のつながりからESG指標を分析している点が大きな特徴です。サプライチェーンが確立する前の段階からリスクや機会を把握でき、戦略を柔軟に調整することができることは、新規事業の立ち上げにおいてとても大きな強みになるのではないでしょうか。

──本日は、ありがとうございました。社会課題の解決や持続可能な未来につながる、新規事業に挑んでいる企業にとって「ESG分析」が戦略的な武器になるよう、今後も新しい価値の可視化に邁進していきます。

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