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【事例紹介】aiESGによるアパレル企業hap社のサプライチェーンESG評価 
〜サステナブルファッションの人権、環境、経済評価を可視化〜

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クライアント紹介

会社名:hap株式会社 https://hap-h.jp/ 

業種:アパレル

住所:東京都中央区

2006年創業。ブランド事業から環境配慮快適多機能製品のアパレル、スマートテキスタイル・スマートウェアの開発まで幅の広い事業を展開。カバロスレイヤーテクノロジーにより第11回技術・経営イノベーション大賞で「カバロスのサーキュラーファッション」が「内閣総理大臣賞」を受賞。サーキュラーファッションの発展につながる技術・サービスの開発を目指している。


目次:
アパレル製品・サービスの環境面、社会、経済面をESG分析
サプライチェーンでリスクの高いホットスポットを可視化
まとめ

アパレル製品・サービスの環境面、社会、経済面をESG分析

aiESGはhap株式会社様(以下、hap社)のサプライチェーンのESG評価を行いました。

アパレル業界は、製造過程における人権侵害や多大な水使用量を含めた環境への負荷が深刻な課題となっています。そこで、CO2排出量のみならず水負荷、強制労働や児童労働など社会面にも重きを置いたaiESGのサプライチェーン評価サービスをご利用いただき、サーキュラーファッションの発展に貢献しました。

“Tokyo Circular Smart Denim Wear” by Moto Suzuki @denimsandjeans Japan

Denimsandjeans Japan was graced by the presenece and denim talk by Moto Suzuki On March 26, he talked on the topic of Tokyo Circular Smart Denim Wear and shared his insights. We are sharing here the complete seminar.

タイトル: “Tokyo Circular Smart Denim Wear” by Moto Suzuki @denimsandjeans Japan
展示会:Denim Sandjeans Japan Show

今回の記事では、hap社のスキニーフィットデニムとCOVEROSS Laundryの2つの製品兼サービスにおいてaiESGを利用していただいた事例を取り上げています。

図1 aiESGとhap社の協働スキーム

サプライチェーンでリスクの高いホットスポットを可視化


1. スキニーフィットデニムの材料「綿」をESG評価



スキニーフィットデニムは大手アパレル、ストライプインターナショナル社のアメリカンホリックブランド向けに、累計100万本以上の売り上げを誇るhap社の主要商品となっています。aiESGの環境と人権に重点を置いたESG負荷量算定およびサプライチェーン分析サービス(原料から製品輸入、国内物流倉庫まで各サプライチェーン工程の数値化)をご利用いただき、スキニーフィットデニム1本あたりのサプライチェーン評価を行いました。

環境面・人権面・経済面における負荷を数値化するプロセスには、国連や国際統計など400以上のデータを基にしたインベントリーデータが使用されています。aiESGのサービスを利用することで、デニム 1本単位で環境・社会・経済それぞれの側面からカーボンフットプリントや水使用量などを数値化することができました。

分析の一つとして、以下では、デニムの原材料として使用されている綿を、アメリカ製のものからインド製・中国製に代替した場合にどのようなESG評価結果となるのかが可視化しています。

図2では、主なESG評価項目におけるアメリカ製綿(青)と、中国製綿代替品(オレンジ)の比較が示されています。このレーダーチャートは円の外側ほどよい結果、内側は悪い結果となります。色のついた範囲が大きいほど総合的にESGに配慮した製品と言えます。

図2  USA綿製品(青)と中国綿製品(オレンジ)のESGのスコア比較 
外側に行くほど良い結果となる



図2、3の分析結果から、アメリカ製綿を使用することで、環境指標では総水使用量、社会指標では強制労働や衛生面(伝染病)における指標の改善が示されています。アメリカ製綿の方が、中国製綿より環境指標・社会指標の双方において優れていることがわかります。

図3 アメリカ製綿・中国製綿それぞれの指標における数値と、
アメリカ製綿を使用した場合のESG評価改善率(中国製綿を基準)


また、多数のESG指標から、水使用量やCO2排出量など、各項目ごとに分析内容を比較することも可能です。例として、図4はアメリカ製綿(青)と中国製綿(オレンジ)それぞれの生産工程における総水使用量-淡水を示しています。この分析から、総水使用量-淡水において、デニムの生産工程で1番負荷がかかっている部分がどこであるかを把握することできます。

hap社のスキニーフィットデニムのケースでは、原料における水負荷が生産工程の中で1番高いことが分かりました。この結果を利用することで、生産工程のどの部分に対策を講じれば最も大きな効果が得られることが明確になります。

図4 USA綿製品(青色)と中国綿製品(オレンジ)の総水使用量-淡水 工程別分析結果


2. サーキュラーファッションのESG指標は高評価



さらに、ライフサイクル全体での持続可能性が保証された新しいアップサイクルサービス、COVEROSS LAUNDRY(カバロスランドリー https://coveross.jp/shop/pages/laundry)にもaiESGのESG評価が利用されました。

この分析では、カバロスランドリーを使用し製品を再加工する場合と、使用せずに衣類を廃棄し新しいものを1から作成する場合の二つのシチュエーションにおけるESG評価をしました。図5に示すようにこの分析から、カバロスランドリーを利用した場合のESG評価が一般的なTシャツ一枚の製造におけるサプライチェーン全体のESG評価よりも、児童労働や強制労働、労災、水負荷など社会指標・環境指標ともに優れていることが結果としてわかりました。

図5  カバロスランドリー(青)と一般的なTシャツ1枚の製造(オレンジ)のESG評価比較
外側に行くほど良い結果となる


図6でまとめられているように、カバロスランドリーサービスの利用で、人権指標では児童労働、強制労働、また、労災と死亡事故などの指標が改善されるという結果がみられます。環境指標でも、総水使用量やエネルギー使用量が大幅に削減されており、経済指標においては、賃金からの付加価値が129%改善しました。

図6 一般的なTシャツ1枚と、カバロスランドリーサービスそれぞれ指標における数値と、
カバロスランドリーサービスを利用した場合のESG評価改善率(一般的Tシャツ基準)



また、図7は賃金創出の世界分布を表しています。一般的なTシャツでは中国やアジア諸国での賃金が発生しますが、カバロスランドリーサービスでは日本への賃金の波及効果が大きいことが分かります。

図7  賃金創出の世界分布
カバロスランドリーサービス(青)と一般的なTシャツ(オレンジ)の比較

また、hap社はセレクトショップとの取り組みも強化しています。24年春夏大手アパレル企業であるナノ・ユニバースとは、自然環境に配慮したサステイナブルライン「Meaningful Continuity」として持続可能性と機能性を加えたカバロスを主な素材としたアイテムを発表、「HÔTEL PALACE」ではアップサイクルサービスのカバロスランドリーが付いたTシャツも販売しています。また、購入して着用後にサービス工場に送付すれば、機能性がアップグレード出来ます。
さらに、24〜25年秋冬物としては、ESG評価をもとに、環境にやさしい素材を使用したジーンズを打ち出すことを予定しています。

hap社は、今後、産官学の連携を通じて最適なリサイクルに関するESG評価を進め、科学的に裏付けられたエコデザインの国際規格の策定を目指していると表明しています。

まとめ


アパレル産業の強制労働や児童労働など社会面での悪影響、また、水負荷を含めた環境負荷は目を背けられない課題となっています。そこで、環境・社会・経済全ての領域においてサプライチェーンにおける情報を包括的に把握し適切な管理を行う必要性が高まっています。

今回のユースケースでは、hap社のスキニーフィットデニムとCOVEROSS LAUNDRYの二つにおいてサプライチェーン全体でのESG分析を行いました。

スキニーフィットデニムでは、デニムの原材料である綿をアメリカ製のものから中国製に代替することで環境・社会・経済それぞれの領域から見たときにどのような変化があるのかを可視化しました。全体分析の結果から、アメリカ製綿の方が中国製綿に比べて環境指標、社会指標ともに長けていることがわかりました。特に水使用量においてはアメリカ綿が中国製綿に比べて大きく減少するという結果となりました。

また、COVEROSS LAUNDRYのサービスにおいても従来のTシャツと比べ環境・社会ともに大幅にESG評価が改善されることが分析結果からわかりました。

aiESGの分析を利用することで、このようにサプライチェーンでどこにリスクの高いホットスポットがあるのかを詳しく可視化し、対策を行うことが可能となります。aiESGではESG分析を通して、ESG観点に適合した製品やサービスの開発、そしてマーケティング・ブランディング戦略の策定までサポートしています。

ESGに配慮した製品やサービスの開発、およびマーケティング戦略の立案に課題を抱える企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


お問い合わせ: 
https://aiesg.co.jp/contact/


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